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コラム
          コラム No.22

          車両接近通報音について

          2016.3.4


          しばらくコラムを更新していなくて申し訳ありませんでした。久しぶりに更新します。

          先日仕事の打ち合わせのため原宿へ行き、交差点で信号待ちをしていたときに、私の後ろで信
          号待ちをしていた20歳くらいの男子学生らしき3人組の会話が聞こえてきて、つい聞き耳を立
          ててしまいました。

          交差点を通る車を見て、その一人が「車欲しいなあ」とつぶやいたのをきっかけにして、車談
          義が始まったからです。

          最近は若者の車離れが問題になっていますが、かつて自動車業界で働いていた私としては、車
          が好きな若者がいることを確認して安心した次第です。

          車談義はどの車が好きかとかの話になり、 具体的な車名が出たりしたので、私はふむふむと聞
          いていました。

          すると、突然一人が「プリウスは怖いなあ」と言ったのです。プリウスは4代目が昨年末に発売
          されて人気があるようですが、ヘッドライトが細く吊り上がって目のように見えるため、私は
          てっきり外観のことを言っているのかと思いました。

          ところが、「音がしないから怖いよなあ」と別の学生が言ったので、それは音のことだと分か
          りました。さらに別の学生が「ホント、ウィーってくるからなあ」とモーター音を口真似した
          のです。

          皆さんはご存知と思いますが、今販売しているHVやEVは歩行者に車の接近を伝えるため、車
          両接近通報音を出す装置を標準で搭載しています。

          ところが、その装置は音を消すボタンが運転席に付いていて、消すことができるようになって
          います。私は商売柄、日頃から接近通報音に耳を傾ける癖がありますが、交差点などで発進す
          る時や、駐車場の中を走行している時には本来接近通報音が出るはずなのに、プリウスやアク
          アなどは殆どの車が接近通報音を出していません。どうも運転している人が消しているような
          のです。

          上記の学生が接近通報音のことを知っているのかどうか分かりませんが、一般の人がHVやEV
          に対してそのような印象を持っているとしたら、それは問題です。

          トラックにはバックする時に「ピーピー」という警報音を出す装置が付いているのですが、昨
          年その装置のスイッチを切っていたトラックがバックしたときに視覚障害者を轢いて死亡事故
          を起こしました。それをきっかけにして、バック警報音を消せないようにするための法整備が
          進んでいます。

          もしHVやEVで同様の事故が多発すると、車両接近通報音も消すことができなくなるかもしれ
          ません。その前に国土交通省や自動車メーカーは接近通報音の使用実態を調査して、なぜ多く
          の人が音を消して走行しているか調べる必要があると思います。
          (追記:2020年からの新基準では消音スイッチは廃止されることになったようです)



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