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サウンドデザインラボ合同会社
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●調査報告

 

 

マセラティサウンド調査

(マセラティのエンジン音はストラディヴァリウスの音に似ていた ! )

2012.12.20

 

5.各種ヴァイオリンの音の比較

 

ところで一口にヴァイオリンと言ってもピンからキリまであります。前記の実験で用いたヴァ

イオリンは中級品でしたが、価格によって音色はかなり異なると思われます。そこで次に

低価格品から最高級品まで取り揃えて比較調査をしました。

 

その調査では4種類のヴァイオリンの音を用いた音響心理実験(SD法)を行いました。被験

者は20代の15名です。その結果は図12のようになりました。この図をみると低級品、中級

品、高級品まではあまり大きな差はありませんが、最高級品だけは飛び離れた値になって

います。特に「造りこまれた」、「穏やかな」、「心地よい」、「好ましい」、「創造性豊かな」、

「集中できる」、「高級な」などの形容詞については5点付近の高い点数になっていることが

注目されます。ちなみにこの最高級品はストラディヴァリウスです。さすがという外ありま

せん。伊達に何億円という価格がついているわけではないことがよく分かりました。

Fig12small

 

.                            図12

中級品と最高級品のヴァイオリン及びマセラティの音のスペクトログラムを図13に示します。

この図で分かるのは中級品の整数次倍音成分は幅が広くぼけたようになっているのに対し、

ストラディヴァリウスは幅が狭く細い線のように見えることです。この違いによってストラディヴァ

リウスは明瞭に聞こえるのではないかと考えられます。ただし、音質の違いをさらに解析する

にはもっといろいろな分析が必要です。

Fig132

 

   図13

 

さらにM(マセラティ クアトロポルテ)の音とヴァイオリンの音のスペクトルの類似性を1/3オク

ターブ帯域の音圧レベルに関して調べたところストラディヴァリウスの音は他のヴァイオリン

の音よりもマセラティと相関が高いことが分かりました。(少し専門的になりますが、相関係数

の二乗は決定係数と呼ばれ、ある変数が別の変数でどれくらい説明できるか表す数値になり

ます。マセラティ クアトロポルテと中級品のヴァイオリンとの決定係数は0.30という低い値でし

たが、ストラディヴァリウスの決定係数は0.75という高い値でした。)

 

 

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